2008年09月03日

四丁目の夕日

四丁目の夕日

毎度おなじみ、三題噺の時間です。

三題噺は、お客さまから三題をいただきまして、
即興で噺をこさえるという。

SEAESな二人でお題を募集しまして、頭の体操として愉しんで
いただきまして盛り上がろうっていう仕掛けでございます。

さて今回のお題は、「つちや餅店」の二代目さんからいただきました
お題「大福」「すすき」「船」であります。

さて、どうなります事やらしばしお付き合い下さい。


♪貧しさに負けた いえ 世間に負けた

「”昭和枯れすすき”が着信音っておかしくない?」

そう切り出したのは、私の友人。

”昭和枯れすすき”が好きだった母からの電話だ。

「もしもし」

そう言って電話に出るとなにやら嬉しそうだ。

無いやら良い事があったようなので、早く帰ってこいという事らしいのだ。

電話を切って事情を友人に話し、実家へ急ぐ。

母は着物を普段着にしている人だ。

そう、
”サザエさん”に出てくるお母さん”ふね”さんみたいな感じとでも言えばいいのか。

若い頃は着付け教室なんて事をしていたらしいが、詳しくは知らない。

「ただいま~」

玄関をあけて大きな声で挨拶するのも、どのくらいぶりだろう。

そんな事を思いながら引き戸の玄関が懐かしい。

「今日はあんたの好きな冬瓜汁だよ。」

そう母が言う。

「もしかして、それだけ?」

なんて思ったけど、何か良いことでも有るかのごとく話をしないと、
実家になんか滅多に戻らない事くらい百も承知なんだろう。


「俺もお土産、持ってきたよ。」


そう言うと照れくさいので、居間のちゃぶ台の上にそっと包みをおいた。

母の好物の大福

「角の店を覗いたら、ちょうど出来たてだって二代目が言っていたからさ。」

嬉しそうにしている母を見たら、たまには実家に顔を出そうかな。

そういう秋の夕暮れも良いじゃないか。

母は言う。

「大きな福を二つも貰ったよ。元気そうなあんたの顔を見たことと、この大福。」

親孝行が少しだけ出来たかな?

「いつまでもあると思うな親と水」






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Posted by もとお@SEAES at 19:33│Comments(0)三題噺
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みなさん、こんにちは。お待ちかね。「SEAES 三題噺」の時間です。三題噺とは寄席の高座芸の一つでありまして、お客さまから一題づつ三題をいただきまして即席で噺をこさえるという遊び...
第11回:「大福」「すすき」「船」【SEAESな二人】at 2008年09月03日 20:25
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