2008年10月09日

わずか2リッター

わずか2リッター

アウディ浜松のご厚意で入荷したばかりのアウディTTSを見せていただいた。

戦闘態勢のまま、「伏せ」の姿勢で待つTTSは後ろ姿が美しいとこの写真を
使わせていただいた。

高速になるとリフトするウイングは当然仕舞われているのだが、それにして
充分であるボリュームを感じさせる発達した「尻」を白いスポーツスーツに包
んだゲルマンの戦闘獣である。

TTはご存知のとおり、TT以前以後というデザイン革命を初代で成し遂げた。
ある意味、ポルシェが続けるデザインの持続性をTTは手に入れていると感じ
るのは、誰が見てもこれは”あのTT”であることなのだ。

アウディの営業マン氏には失礼ながら、後端部に立ち、後ろフェンダーまで
のラインからCピラーへ納まるガラスの形状をみれば取り、撮りようによって
は最新のポルシェであると感じた。

車の造形とは今や全て独自であることを求めることもない、それでいてどう
見てもこれはTTであり、そのスペシャルクーペであるTTSなのである。

ハッチガラスの下端部の納まり、なだらかに筋肉を納めたスーツの納まり、
四本出しの排気管のさりげない威圧に赤いSの文字までがどういう走りを
見せてくれるのか想像できるのである。

AUDIは決して破綻を求めない、乗る側を危機には陥らせないように設計さ
れ、かつ乗ることを義務づけるのだ。

「ドア以外はほとんどアルミなんです」

営業マン氏は言い、「ぶつけたら大ごとだ」と意識づける車に乗る。
重量的な軽さを得たTTSはわずか2リッターである。
さらに言えばクアトロ(4輪駆動)である。
そして272馬力であると書き加えておく。

「0-100が・・・」、皆まで聞かずともこの構えを見れば発進加速の為に
低く構えているのは充分に予想できるのだ。

「もう既に2台オーダーをいただきました」

その幸せなオーナーはAUDIからの乗り換えではないと言う。

TTから成長を続ける2008年のシーンにTTSは乗り出してゆく。

この車は初代から成長をし続けることを約束されるために作られたTT伝説
を継いでゆくのだと感じさせていた。

「乗りませんか?」 もちろんと応えてその日を待っている。


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