2008年07月30日
三題噺鰻扇の顛末
毎度おなじみ、三題噺でありまして、いただきました三つのお題を使いまして
噺をこしらえるという高座芸でございます。
題を出すのも身内なら、こしらえるのも身内という勝手に頭の体操などと思い
ましてここでは愉しんでおりますが、なんと自然から元気さんが、一つ書いて
いただいた。
まことに洒落がおわかりになりまして、ありがたいことでございます。
さて、自然から元気さんのお話を読ませていただきまして、このお題をまた
続けてしまおうという企みであります。
え~ちょいと前の時代ってぇ申しましても明治の頃、最近は明治生まれなん
て方も珍しくなりましたな、なんて言っておりますと、そのうちに大正、昭和と
続いてまいりますから安心をしてはいけません。
そのうち、どこかの噺家が、昭和なんてぇ時代がございましたが、なんてや
りかねません。
時代が移りますと共に、言葉も変わってくるというお話であります。
氷なんてものがありまして、夏はチベたくて、冷やっこくていいもんでござい
ますが、英語で申しますとアイスなんて言いますな。
あんたぁ、アイスてる?なんて夏には熱くてかまいませんか、そんなことを
言われたいもんですな。
アイスでありますが、明治時代にアイスと聞くと皆がいやがった。
「あっちからアイスが来るよ、いやだだねえ」なんて言っておりますのは、ア
イスとは氷菓子のことでありまして、転じて「高利貸し」と洒落ていたそうで
あります。
「あいつは冷てぇ男だ」なんて言われます高利貸しがやって参ります。
「今日こそは返してもらうよ」なんて上がり框に座ってしまって動かない。
長屋の熊さんとかみさんは困ってしまいます。
頃は土用でありまして、つつましく暮らしておりましても、滋養をつけなきゃ
働けないなんて、かみさんが工面した鰻が買ってございます。
いくらそこで待ったってない袖は振れないってぇわけでかみさんは鰻をさば
きはじめております。
この鰻の焼き方ってぇのが面白いもので、関東と関西では焼き方が違い
まして、関東が背開きならば、関西は腹びらきと違いまして、関東は一度
蒸しましてから焼き、関西は蒸さずに焼き始めます。
まあ、どちらも美味いものですが、ここで高利貸しが口を出す。
「鰻は背から裂いたらあかんがな」なんて、関西出身でございますから
余計なことを言う、熊さんのかみさんは江戸っ子でございますから、背から
開いてしまいます。
そんなことを言うから、表だ裏だの話になりまして、高利貸しも後にはひか
ない、それなら掛けをして決めようなんて話になりました。
さきほどから暑気払い使っておりました扇を出しまして、これを投げて決め
ようと言うことになりました。
熊さん、ここは鰻だけじゃなくて勝負に勝ったら借金を棒引きにする、負け
たらその場で払うなんて勝負に出てまいります。
この勝負、表になりましたら関東の背開き、裏になりましたら関西の腹開き
の勝ちでございます。
熊さん、アイスから扇を受け取りまして要に指をかけ、さっと投げれば扇は
一回転しましてひらりと舞い落ちます。
見事、表が出まして、借金を棒引きになり、関東の鰻の面目も保ったという。
「それにしてもおまいさん、うまくやったね」かみさんが感心して言う。
「何いってやがんでぇ おれは扇を極めた男なんでぇ」
「そんなのは聞いたことがないよ」なんて言われましたが、扇だけに極めれば
「奥義」を知っていたという。
「おまいさん、負けたらどうするつもりだったんだい」
「心配ねえ、うなぎだけにお足はねえ」
借金もなくなりまして、鰻を食う、自然から元気になりまして、末永く仲良く暮
らしたという噺でございました。
て方も珍しくなりましたな、なんて言っておりますと、そのうちに大正、昭和と
続いてまいりますから安心をしてはいけません。
そのうち、どこかの噺家が、昭和なんてぇ時代がございましたが、なんてや
りかねません。
時代が移りますと共に、言葉も変わってくるというお話であります。
氷なんてものがありまして、夏はチベたくて、冷やっこくていいもんでござい
ますが、英語で申しますとアイスなんて言いますな。
あんたぁ、アイスてる?なんて夏には熱くてかまいませんか、そんなことを
言われたいもんですな。
アイスでありますが、明治時代にアイスと聞くと皆がいやがった。
「あっちからアイスが来るよ、いやだだねえ」なんて言っておりますのは、ア
イスとは氷菓子のことでありまして、転じて「高利貸し」と洒落ていたそうで
あります。
「あいつは冷てぇ男だ」なんて言われます高利貸しがやって参ります。
「今日こそは返してもらうよ」なんて上がり框に座ってしまって動かない。
長屋の熊さんとかみさんは困ってしまいます。
頃は土用でありまして、つつましく暮らしておりましても、滋養をつけなきゃ
働けないなんて、かみさんが工面した鰻が買ってございます。
いくらそこで待ったってない袖は振れないってぇわけでかみさんは鰻をさば
きはじめております。
この鰻の焼き方ってぇのが面白いもので、関東と関西では焼き方が違い
まして、関東が背開きならば、関西は腹びらきと違いまして、関東は一度
蒸しましてから焼き、関西は蒸さずに焼き始めます。
まあ、どちらも美味いものですが、ここで高利貸しが口を出す。
「鰻は背から裂いたらあかんがな」なんて、関西出身でございますから
余計なことを言う、熊さんのかみさんは江戸っ子でございますから、背から
開いてしまいます。
そんなことを言うから、表だ裏だの話になりまして、高利貸しも後にはひか
ない、それなら掛けをして決めようなんて話になりました。
さきほどから暑気払い使っておりました扇を出しまして、これを投げて決め
ようと言うことになりました。
熊さん、ここは鰻だけじゃなくて勝負に勝ったら借金を棒引きにする、負け
たらその場で払うなんて勝負に出てまいります。
この勝負、表になりましたら関東の背開き、裏になりましたら関西の腹開き
の勝ちでございます。
熊さん、アイスから扇を受け取りまして要に指をかけ、さっと投げれば扇は
一回転しましてひらりと舞い落ちます。
見事、表が出まして、借金を棒引きになり、関東の鰻の面目も保ったという。
「それにしてもおまいさん、うまくやったね」かみさんが感心して言う。
「何いってやがんでぇ おれは扇を極めた男なんでぇ」
「そんなのは聞いたことがないよ」なんて言われましたが、扇だけに極めれば
「奥義」を知っていたという。
「おまいさん、負けたらどうするつもりだったんだい」
「心配ねえ、うなぎだけにお足はねえ」
借金もなくなりまして、鰻を食う、自然から元気になりまして、末永く仲良く暮
らしたという噺でございました。
Posted by もとお@SEAES at 14:30│Comments(2)
│三題噺
この記事へのコメント
さすがぁ~(>▽<)イェーイ♪
こうこなくっちゃねぇ~( ̄ー ̄(_ _( ̄ー ̄(_ _そうそう
よぉし がんばろっと♪
こうこなくっちゃねぇ~( ̄ー ̄(_ _( ̄ー ̄(_ _そうそう
よぉし がんばろっと♪
Posted by サプリメント管理士 at 2008年07月30日 22:28
サプリメント管理士さん、どうもどうも^^
仕事以外でがんばってしまう一人なのでした^^
仕事以外でがんばってしまう一人なのでした^^
Posted by SEAES FACTORY Co.,Ltd. at 2008年07月31日 16:08