2008年11月15日
117は貴婦人のナンバー
ヒストリックな日本車が伝えられる時、レースを走った高性能エンジンを誇る名車
群とは別格として語られる車があります。
いすゞ117クーペ
発売時に全国に整備されつつあった高速道路に合わせ「ハイウェイの貴婦人」と
呼ばれた流麗なイタリアンデザインのクーペでした。
ネタばれしそうですが、クーペ好きは、サニークーペにはじまりこの117で結実し、
少年(いまや中高年)の心をしっかりと捕らえて離さないのです。
じつはこの車の後期型(ファンのみなさまには角目か・・と呼ばれる)を3台乗り継
いだという代わり者でもあります。
最後の黄色いドレスの貴婦人は仲間のガレージに今も保存されています。
じつに今まででも117については書いていたのです。
トヨタから117クーペ
赤いクーペで
復刻版ならば
ハイウェイの貴婦人
117という貴婦人の魅力はそのスタイルの美しさに限らず、エスコートする人を選
び、貴婦人はその流儀を一切変えないところでもありました。
「これってイタリア車?」と言うような若者(じつは若い女性・・・)が運転をしたいと
言われましてキーを預けても、発進ができない。
キーを挿し、まるでトラック(トラックメーカーでもあるが)のようなT字レバー型のス
テッキブレーキを回して向こうに押して解除する。
ライトはダッシュのノブを引いて点灯するのだから。
117のスタイルはただ惚れられても容易に近づけない品格を持つ。
そういえば信号待ちで並んだ高級車から「なつかしいなあ」と遠い目をした人の視
線を感じても貴婦人のショーファーである私は常に運転者として静かにドライブを
していた。
決して飛ばさず、エンジンを唸らせもせず、あおりには一瞥をくれるだけで我が道
をゆく。
117の美しさはその実家(いすゞ)が乗用車事業から撤退したこともあり、いすゞ
の乗用車(117、べレット、ジェミニ等)は全国で最も多く残されているメーカーだ
とも言われています。
そろそろ黄色いドレスの婦人に再会に行きましょうかね。
大切にガレージ保管された彼女は、ときおり展示撮影に参加しているそうです。
Posted by もとお@SEAES at 00:23│Comments(0)
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