2008年11月18日
ダットラに乗って
「ねえ、教習所でコラムだった?」
こんなことを聞き合うのは今の40~50代、運転免許を取ろうと教習所へ通い
初めての車がコラムシフト(ハンドルの左から生えているシフトレバー)という
世代がありました。
今やオートマ限定まであるという世の中が来るとは思いもしない両手両足を
使ってシフトレバーを操り、クラッチを踏んで車を運転していた時代がありまし
た。
高校を卒業すると大学へ行く仲間が多い中、高卒で就職したから人よりは
早く免許を持ち、夏休みで帰省すると車を運転する。
家には親父のダットラ(日産=ダットサンのトラック)しかありませんから、夜
になると借り出してドライブに行きます。
その頃はどんな車でも運転さえできえればうれしかったものでした。
「浜北まで行きたいんだけど」
仲間の依頼でダットラを飛ばし、ピックアップして浜北まで走ります。
20歳ほどの若者には車があるだけで随分足が伸びたものでした。
彼の”彼女”の家まで行き、家の外で立ち話をする若き恋人たちを待ちます。
夕暮れの田んぼの中の家の前にダットラを停め、煙草をふかし「よい人」を
気取っていたことがありました。
「迷惑なんだけどね」、随分と彼女に追いかけまわされた彼はダットラの席
に戻って言う。 彼が学ぶ大阪までも押しかけてきたというのです。
「いいのか責任とらなくても」、二人は高校時代からもう2年もつきあっていた
のです。
「ああ」、優しき男たちの時代は、こんな風に過ぎていきました。
彼は随分結婚が遅かった。 おそらくは傷ついたのは彼の方だったのでしょ
うね。
優しき男たちの時代はそんなふうに始まったのでした。
仲間の依頼でダットラを飛ばし、ピックアップして浜北まで走ります。
20歳ほどの若者には車があるだけで随分足が伸びたものでした。
彼の”彼女”の家まで行き、家の外で立ち話をする若き恋人たちを待ちます。
夕暮れの田んぼの中の家の前にダットラを停め、煙草をふかし「よい人」を
気取っていたことがありました。
「迷惑なんだけどね」、随分と彼女に追いかけまわされた彼はダットラの席
に戻って言う。 彼が学ぶ大阪までも押しかけてきたというのです。
「いいのか責任とらなくても」、二人は高校時代からもう2年もつきあっていた
のです。
「ああ」、優しき男たちの時代は、こんな風に過ぎていきました。
彼は随分結婚が遅かった。 おそらくは傷ついたのは彼の方だったのでしょ
うね。
優しき男たちの時代はそんなふうに始まったのでした。
Posted by もとお@SEAES at 00:22│Comments(0)
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