2008年11月14日
黄色のワーゲン

「黄色いワーゲンがほしいのよ」
突然彼女が言い出したのは、どうやら同僚が乗っているかららしい。
街にも増えてきたニュービートル、今や古いビートルはほとんど見なくなった。
POPEYE世代の青春を飾った車であり、誰もが憧れた履き古すジーンズの
ような車は我々世代の年齢が上がるとともに消えていった。
VWサイトを見れば、今のはNEWビートルであるという。
街角を走り去る”NEW”ビートルを見ればどの車も女性が乗っている。
まあるいお洒落が女性の横顔を引き立てている。
仕事ができるだけでなく、オフを持っている横顔はきれいだ。
「イエローなのかい?」 「そう、黄色」 彼女は英語は苦手あくまでも”黄色の
ワーゲン”を主張する。
似合うかなと思い、似合うだろうなと思い、その隣に乗ったらどうなんだろうと
彼女運転の”黄色”い”NEW”ビートルを想像する。
最近でも”古い”ワーゲンのタイプⅢやタイプⅡあたりのオークション値段を
気にしている古いPOPEYEは、オリーブさんになんと言ったらよいのだろう。
「かぶとむしだぜ」、「そうね」、「BUGって呼ばれるんだよ」、「どんな意味?」
「昆虫とかなんきん虫」、「あらかわいい」
”黄色い”やさしき車に惚れている女性はまたかわいくもある。
その横顔がきれいに見えますようにと、祈りつつ、「乗せてくれるかい」と言っ
てみる。
「その気になったらね」と煙草を吸う男は警戒されているのである。
Posted by もとお@SEAES at 00:21│Comments(0)
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