2008年11月01日

イエロークーペの夜

イエロークーペの夜

発売当時、最も美しいと言われながら大きなセールにも結びつかず、埋もれてしま
ったクルマがある。

無類のクーペ好きと言える自分からすれば、ちょっとうれしく、期待してしまうのは
美しいものは、それを理解する人のみに分かればよいと思い、所有する喜びとは
そういうものであろうと思うのである。

プジョー406クーペは、映画でも大活躍した406セダン、ありえない広さのラゲッジ
を持つといわれたワゴンに次いで加えられた車種である。
もちろん後継に407を生むのだが、これは感覚的に大きすぎる。

クーペとは小柄で流麗なるスタイルを持つ、ごく少数の人がセンスで乗る車でなく
てはならないのだ。

クーペは実質的には2×2という前席優先のスタイルをとる、後席はエマージェンシ
ーとして使うのみの車であるから、家族車にはなりえない。
一人ないし二人のセンスよく乗る車として割り切りが必要なのである。

ゆえに売れないのは当然で、ゆえに美しく、どのメーカーも自らのデザインセンス
を見せるのみに生産されるのである。

この手の車を美しくないと思う人はいないのだが、それでも実際には選ばれない
、これもクーペ乗りの誇りとなりえるのである。

時にイエローのクーペは美しい、もちろん最も塗色として使いにくいイエローは昼
間でも目立つ存在になる。
それもできれば、ちょっと褪めたレモンイエローあたりがらしくていい。

じつは過去に別車のイエロークーペを所有していたことがある。

レモンイエローの車は、夜美しく輝くことを知っていた。
待ち合わせ、もしくは停車時には街の街灯の下に停めておくことを意識したのは
夜の闇の中に、街灯で浮かび上がるレモンイエローはまったく美しいとしか言え
ないからでした。

もし今後クーペを所有するならば、もう一度レモンイエローを望んでいる。

もし、美しいクーペの塗色を選ばれているならば、夜間に試乗に借り出し、輝く
街灯の下に停め、少し離れたところから眺めてみるのをおすすめしておく。

それだけで、決まり、となる魅力を発見できるのである。


タグ :406プジョー

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