2008年08月23日

結城に塩瀬の

結城に塩瀬の

「結城に塩瀬の素描の帯が・・・」

永六輔さん作詞の名曲「女ひとり」で京都の風情が歌われる。

一昨日おじゃましました”きものと帯 大黒屋”さんでその塩瀬の帯を見せていた
だくことができました。

光の移り変わりと心を教えていただいていると「塩瀬を持ってきなさい」と奥様
にお持ちいただいたのが初めてみる塩瀬でした。


「これって、結城に塩瀬のというあの歌の塩瀬ですか」と水仙の奥様(大黒屋
さんは水仙の花がお好きで奥様を水仙のようだとおっしゃる、私たちも水仙の
ようだと思うのです)に聞けば「そうよ」と教えていただきました。

秋は地の色、これは地面の色とも、着物の地色ともとることができますが、
テーブルの上に広げられた塩瀬に初めてみる男たちも目を奪われました。

大黒屋さんが秋のこの時期のために4月にデザインをして染めに出したもの
があがってきた、それだけ着物づくりには心と手間が丁寧にかけられている
のです。

初めてみる私たちには金にも見える塩瀬は帯の素材のひとつなのだとお聞き
しました。
結城は帯にも着物にもなるのだそうです。

クルクルッとまるめた反物から、スッスッと繰り出される塩瀬を見て、またあの
呉服屋さんの手つきでクルクルッと巻かれる反物は秋のはじまりの一瞬に見
た、秋の光そのものでした。

長くおじゃましていると、少しづつこうして着物を学び、つくる人の心を知ること
ができます。

興味を持ってみつめれば、降るようにいろんな光が見えてくる。

私たちは秋の光の中に生きるから、この季節の色に魅入られてゆくのです。

大黒屋さん、水仙の奥様、ありがとうございました。


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