2008年11月12日

一杯目のハイボール




待ちきれずにハイボール。
ロックで呑めば寝酒になってしまうからね。

あたなはそう言うけれど、私はゆっくり酔っていたいだけのよと
君は言う。

待ちきれないハイボールは長くなった夜へのドアを開ける鍵になる。

酔いへのゆるやかな坂を行くにはソーダを入れてサワーな甘さが
いいのさ。

ところで君の話はなんだったんだい?
僕は言い、君はハイボールを手にカラカラと氷を鳴らしている。

坂にゆっくり進めてゆくのにハイボールの力を借りている。

その坂が上りなのか下りなのかは分からないんだよ。
坂は上を向けば上り、下を見れば下りなんだからね。
君はゆっくりハイボールを呑む。

一杯目を飲み干したらまた十一時を過ぎたらハイボールの話をし
てあげようね。


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