国道渋滞中
「昭和の大アイドルを語るなら、
キャンディーズを語らない訳には行かないだろう。」
混雑が予想される幹線道路を迂回し、国道一号線を東京へ向かう車中のラジオから。
「ご大層な事、言いやがって」
誰もいないからラジオにツッコミを入れるのも慣れたモノだ。
四日市を出発して何時間くらい経過しただろか。
いっこうに前に進まない。
渋滞はトラック運転手にとって本当にストレスが溜まり要因になる。
また燃料高騰の煽りももろにうけ、立ちゆかない現状は、
漁師達だけでは無い。
「嗚呼」
「ったく、季節外れの工事なのか」
「全然、動かない」
そう思っていると、
日頃の疲れなのか、少しうつらうつらしてきた。
「ファンファン ファンファン」
後続の車からクラクションを鳴らされ飛び起きる。
前の車は遙か前方まで進んでいる。
悪い悪いと急いで車を動かす。
ラジオからはキャンディーズの歌が流れてきた。
渋滞がきれて、隣の車と一緒に開けた道を走り出す。
♪暑中お見舞い申し上げます~
隣の運転手と口の動きが同じだった。
「同じ世代か」
そんな事を考えながら、車を走らせる。
助手席からあめ玉を取り出し、口に入れる。
「飴にも歌にも励まされ、か。」
さあ、行こう夏休みに向かって。
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