真夏の宇宙戦争

もとお@SEAES

2008年07月26日 15:10



「宇宙人が攻めてきた。」

友人の息子がけたたましい叫び声を上げながらかけてくる。

「何処に宇宙人がいるんだい?」

友人宅で鰻の蒲焼きを食べながら、彼にそう問いかけた。

「外に居るんだよ。ライトサーベルを振り回している」

何か彼の語り口を聞いていたら、
本当に居るように思えてきたので、そこまで案内してくれるように伝えた。

「一緒に行くならお金を持って行かんと駄目だよ」

何故なのかは、その時には理解出来なかったが、
一応、サイフの有無だけは確認し後をついていく。

行き先は、友人宅の近所、大きな木がある公園だ。

こんなに暑くても、子供達は遊んでいる。

エアコンが利いた部屋でゲームしているよりもよっぽども子供らしい。
そう思うのはどうやら私だけでは無いらしい。

そういう表情をして自慢の子供だと言わんばかりの友人の横顔を見れば、
否応にも理解出来るというものだ。

「何処にいるの?宇宙人は」

そう彼に告げると、

あそこだと指さした。

「ああ、なるほど。」

でも、何故宇宙人なのかを確かめてみた。

「どうしてもおじさんは納得いかないんだけど。」

そう言うと、

「お小遣い、頂戴。」
「ここの店のライトセーバーを買うんだ。」
「とっても美味しいんだ。」

と彼が言うので、
物は試しだということで、

「ライトセーバーを三つ下さい。」

と店主に言う。

それぞれに「ライトセーバー」が渡されたので、
その時に店主にこっそりと聞いた。

「何故にライトセーバーなんですか?」と。

すると店主。

「実は私、ジェダイの騎士なんです。」

と大まじめな顔で答えるのだ。

暑い夏には時々出るという話を聞くが、
この暑さでは仕方がないななんて自分で納得したりした。

「何故にジェダイ?」

と彼に質問。

すると、

「私、ホースが使えるんです。」

と彼が打ち水をしていた。

「ホースを使って打ち水するアイスキャンディー屋。」
「なるほど」

思わず彼のセンスに大笑いしてしまった。

打ち水したところにゆらゆらと陽炎が出来ている。
夏本番はこれからだ。

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