青年は荒野をめざす
「本当に19歳なんですよ」
昨日の浜名湖フォークジャンボリー最終日、二番手で登場した青年は言う。
実行委員のKAZさんと話しながら「婿に欲しいくらいだね」と聴いたのは
「海来(ミク)」青年である。
一人でステージに立つ青年はフォークという旅を若き日に始めた我々と同
じ道を辿っている。
フォークジャンボリーが”オヤジバンド合戦”でも”なつかしきフォークの集い”
でもないのは出演者が19歳からおそらくは60~70代まで参加する音楽
を愛する人のジャンボリー(まつり)だからだ。
海来青年は名前そのままに、海風が朝夕で方向を変える浜名湖ガーデン
パークのステージに来て歌いはじめた。
どの世代が聴いても旅にいざなわれる「500マイル」を歌い出す青年は
僕らの世代が共感した”青年は荒野を目指す”姿としてよみがえり、彼との
歳の差を数えて、よく旅を続けてきたと振り返るのである。
僕らフォーク世代と呼ばれる旅人は昔の自分を重ね合わせて彼に拍手を送
り「よい旅を」と応援する。
そして彼は私たちに向けてもう一度「戦争を知らない子供たち」を歌い、何
を僕らが求めているのかをもう一度優しい声で確かめるのである。
「婿にほしいなあ」、50代のおじさんたちは自分たちの19歳を振り返り、
まだ薄い胸を張って歌い続けることで平和な理想郷を作ろうと思っていた頃
をまた思い出すのです。
そしてその旅はまだ途中なのだと気づく。
来月で二十歳になるそうだ。 旅の途中できっと来年も浜名湖に寄ってくれ
、テンガロンハットの旅人に私たちは拍手をおくったのでした。
浜名湖ガーデンパークに若い芽をひとつ見つけたのでした。
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