タクシーを選ぶ
ショーファードリブンという言葉がある。
ショーファー(お抱え運転手)が運転する車という意味で、私たちの生活では体験
しないものなのだが、時々見かける高級車の後ろの席の人をなにげに覗いてし
まうのだが、そこにはカーテンやスモークで窺い知れない
お抱えでなくとも体験できるのがタクシーである。
タクシー乗り場にズラリと並ぶタクシーと乗り込む人の列を待つ間に、どのタクシー
になるだろうと予測するのも楽しいもので、昔から言われるように”個人タクシー”
に当たるとちょっとうれしかったりする。
それはタクシー専用車ではなく、ちょっと良い車であったり、個人ゆえにやさしい
運転をするドライバーに当たるだろうというちょっとした期待であります。
車好きにしてみれば、ちょいと良い車に乗せてもらうのも楽しみながら、タクシー
という密室で臨時の”お抱え”になった運転手さんとの密度を楽しむのもちょっと
した楽しみなのだ。
誰もが一度くらいは”タクシーの運転手さんになってみたい”と考える、男の子な
らば、長距離輸送の大型トラックにも乗ってみたいと考える。
プロのドライバーとはカッコいいものなのだ。
「今まで一番遠くへ行ったのはどちらですか」なんて話題を投げては楽しむのも
お抱えしている身分の楽しみなのです。
小学生の頃、どうしたのが忘れてしまったが、友達とタクシーを始めて拾った思い
出がある。
全員緊張してしまった中、運転手さんが話しかけてくれてうれしかったことを思い
出す。
かつて京都を旅した時、乗ったタクシーの中で阪神の優勝の盛り上がりを聞いた
こともあった。
タクシーの運転手さんが寄る店はうまい店、なんていう定食屋の見定めもあった
りする。 もちろん通う店にはタクシーさんが何台も来る。
密かにタクシーさんの実力を感じる時は、そんな時でもあるのです。
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