かぼちゃの馬車が欲しい
さあ、クルマ好きのよい子たち寄っておいで。
「ビビディ・バビディ・ブー」
シンデレラを哀れんだ魔法使いのお婆さんが呪文を唱えればカボチャはあ~ら
不思議、カボチャの馬車となりました。
もう古い車ながらトヨタも日産もパイクカーを作った頃、一台のカボチャの馬車が
ありました。その名をトヨタ・WiLL Viと言うのですよ。
もちろん、このカボチャの馬車にも種明かしがあってね。 これは日産がマーチ
からフィガロやパオを作り出したように、トヨタはヴィッツに魔法をかけたの。
そして生まれたのが、このWiLL Viなんですよ。
シンデレラが乗る馬車ですから、とても面白い形もしているけれど、インパネは
フランスパンのようだし、まん丸のノブがついていたり、椅子の色もシンデレラが
住んでいたテラコッタの色をしているんですよ。
これに乗るシンデレラ、かぼちゃの馬車に乗って王子様のいるお城の舞踏会へ
行くというストーリーまでがこの車にはこめられていたの。
王子様に気づかれていない世の中のシンデレラな子たちは、皆、この車に乗り
たがったものだわ。
馬車は小さなエンジンを載せていたけれど、もともとヴィッツですもの、キビキビ
と走って大きな夢を乗せたり、届けていたのよ。
今もその頃の夢を果たしたシンデレラたちが、妹たちの為にこの車を残したから、
幸せになる車として、ときどき市場に出ていますよ。
まあるいカボチャの形、不思議な屋根のカットはクリフカットといってね、昔フラン
スのシトロエンにも使われた形なのよ。
あまり見たことがないでしょう。
昨日は高速道路を御殿場で降りてゆくカボチャの馬車を見たの。
もちろんシンデレラを乗せてね。
あなたも、見かけたことがあるかしら、現代のシンデレラたちのカボチャの馬車。
あなたが女の子ならば、シンデレラ、彼が運転したならばそれは御者になるわね。
もちろん、ドアを開けてエスコートするのが義務だわね。
日本にもこんなシンデレラストーリーを生んだ車があったのよ。
はい、今夜のお話はおしまいおしまい、またお話を聞かせましょうね。
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