クーペ未満のスタイル

もとお@SEAES

2008年10月15日 00:22



世界で最も売れた車はカローラであると言えば、納得なほど日本車を広く
知らしめたカローラの功績は偉大である。
などと言っても、売れているはずのカローラはあまり見かけず、見かけない
と思えるほど風景に溶けているのも、カローラたるところであります。

カローラはご存知のとおり姉妹車、兄弟車を多く生み、一見同じ名前なだ
けだとも思えますが、その販売方針のもと「カローラ」というブランドを育て
きたのもトヨタの力であります。

かつてカローラが多車種に変換したのは、カローラと兄弟ブランドスプリン
ターの発売からでした。
より一般的なファミリーを狙うカローラに比べ、スプリンターは若者層を狙っ
たネーミングの妙で販売を伸ばしていました。

もちろん兄弟者ですから”顔”や”テール”が変更されたのみでありながら、
かつての名車で型式で呼ばれるほどの「AE」を生み、レビンとトレノという
ブランドで競われ、それぞれのファンを作り出したのは、ネーミングのブラン
ド作りの巧みさと言えるかと思います。

かつてこんな車がありました。
ちょうど免許年齢に達し、一世風靡していたセリカに乗れないならば、カロ
ーラ、スプリンターというグレードを選択した若者たちに示されたのは、同じ
ネーミングでカタチを変えるという手法がありました。

今見てみれば、ハッチバックを持ち、後部に荷室を持つ2ドアのクーペ未満
のカタチは美しくもある。

青年たちには2ドアでファストバックの「クーペ」スタイルは美しく感じていた
ものでしたし、ハッチを持つ車は「バン」と呼ばれた商用利用車にも通ずる
ユーティリティを持っておりました。

今、これをコマーシャルするならば、平日は大きな荷室を使って営業車とし
て、休日には遊び道具を満載して遊ぼう、なんてCMが作れそう。
車はまだ遊びのみには贅沢に思えていた頃のスタイリングを持つ車があっ
たのでした。

その頃、セリカに追加された「リフトバック=略称LB」は革命的なクーペスタ
イリンを持っていました。
その流麗なクーペスタイルを持つ後端にハッチを持たせることで、遊び車は
ある意味、荷室を持つ車として大きく注目されたのでした。

クーペ未満な荷室を持つ車、これも「マイカー」時代の過渡期のスタイリング
の一つなのでした。
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