サソリの毒

もとお@SEAES

2008年09月28日 11:50



フィアットのチューンドカーを担当する会社に”アバルト”がある。

フィアットというイタリアの大衆車に、車好きが好むチューニングを施して、その
バッチをつける。
前出のスポーツブランド”アルファロメオ”が大蛇なら、アバルトは、サソリのマ
ークである。

これもスポーツを表すブランドとして知られ、ごく普通のフィアットを見事にスポ
ーツウェアに着替えさせてしまう。
サソリの毒とは”スポーツ心”を分泌させる触媒として作用し、そのエンブレム
をつけるだけで相手に”警戒心”を抱かせる。

最新のサソリは、復活したブランド、フィアット500(チンクエチェント)に噛みつ
いてその能力を高めている。

スポーツとは過剰な防具や道具立てがないほうがよい。
一流ならば、その才も能もかくし、いざという時に出すのみでよいのである。

しかしながら、小ネズミに噛み付き、その毒により筋力も心臓も高めた500
は追いついて来るにも、走り去るにもサソリをアピールする。

これも一つのブランドである。
コンパクト化は、クレバーで誰にも納得のある選択となるのだが、実際には
サソリに噛ましたものを選ぶ。

気づく人にだけアピールするものがあるならば、それこそブランドである。

「乗ってますね」 「ああ」と目だけでサインを送るのは小さなサソリをないが
しろにはしない車乗りである。

先にアルファロメオMITOを紹介し、次にフィアット500アバルトもあるぞと書
いてみた。

大蛇とサソリのブランドは、どちらも”多くにアピール”するものではない

MITOも500も単なるシティコミューターとして使うことができる。
町に住む、小動物ともなりえるのである。

ただし、ドライバーは噛み付く瞬間は逃すことはないのである。

スッとモードが変わり、獰猛な戦闘態勢に写る瞬間に相手には大蛇もサソ
リも見えてくる。

これをお洒落として見るのが都会人というべきである。
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