プラチナの指輪してる?
かつて日本のどこにでも住んでいた妖怪を見かけなくなったのは、妖怪
の住みにくくなった環境だからでございます。
すわ環境破壊か!などと力んでみましてもそう言うわけじゃない。
恐ろしい姿をしておりましても妖怪なんでものは根は素直でありまして
人を怖がらせるだけが生き甲斐(死にがい)という死にものであります。
なんと言っても昨今は人間の方が恐ろしく、昼夜怖いなんて言っていれ
ば妖怪などは流行らなくなっております。
さて冒頭の話、プラチナが暴騰して金より高くなってしまったと言う。
困りましたのか、金でございましてオリンピックの面目が立ちません
プラチナメダルが一番なんてことになりましたら選手も困ってしまいます。
そこで久しぶりに妖怪に出番が回ってまいりました。
金をまもる妖怪はいねかーと探しましたところ、目玉親父が出てまい
りまして、探してやろうと言う。
出てまいりましたのが金を隠す妖怪キンカクシであります。
この妖怪がたちまち金を隠してしましたから、金はあれよあれよと値
上がりしましたから大成功となりました。
さてキンカクシ、妖怪の常でありましてマジメであります。
金はないかキンはないかと探しまわりますと中国にたくさんあると言う。
早速出かけていきました北京で金メダルまで隠してしまった。
さてプラチナに勝ちました金も金メダルまで隠されてしまえば値打ち
はありません。
さあ怒ったのは世界中の人、キンカクシはとんでもないと怒りだしました。
キンカクシ、ほめられるかと思えば叱られて立つ瀬がありません。
もう二度と金は隠しませんと誓わされます。
人間の為に働いても叱られたキンカクシ、妖怪は辛いものだと思いしる。
妖怪受難な時代でございます。
失意のキンカクシに浴びせられた言葉
「ふらちな奴め!(手)値打ちにしてくれる!」
あ〜ら不思議、再びプラチナの値打ちがあがった。
真面目な妖怪を利用しては裏切る人こそが現代の妖怪である。
プラチナ高騰の陰にあわれな妖怪の悲しみがあったと言うお話であ
りました。